「人の住処じゃない」から「モデルルームみたい」へ

生活の変化

習慣が武器になる。

そんなことを昔のボクに言っても、
たぶん信じなかったでしょう。

特に掃除です。

「使った物を元に戻す」

今なら当たり前にやっています。

でも実家にいた頃のボクには、
その当たり前ができていませんでした。


そこは、人の住処ではなかった

当時の部屋をひと言で表すなら、
カオス。

物が、とにかく多かった。

足が不自由なので、
歩くための床だけは見えていました。

ただし、ベッドの上には服の山。

そしてベッドの下には洗っていない靴下。
しかも、たぶん3年以上。
……熟成させる必要はありません。

デスクには書類、本、使ったままのマグカップ。

使っていないポットまで置いてありました。

棚はパンパン。

ロングコート、スタジャン、革ジャン。

装飾品も大量です。

さらに当時のボクは、
アナログレコードのコレクターでした。

その数、千枚近く。
ターンテーブル2台。
ミキサー1台。
そして、なぜかブラックライト。

今から考えると、
遊べる我が家・ヴィレッジヴァンガード状態
です。

ただ、本人だけは普通に暮らしていました。

散らかっていることが、日常だったからです。


彼女のスイッチが入った

そんな部屋に、
ある日、彼女が遊びに来ました。

彼女は掃除好きな人でした。

しかも、やるとなったら徹底的にやる人です。

部屋を見た瞬間、彼女は絶句。

そして確か、こう言いました。

「これは人の住処じゃない」
続いて、
「ゴミ袋を用意して。いいから!」

……なんか怖ぇー😱

せっかく遊びに来てくれたのに、
その後のお楽しみはお預け。

突然、二人で大掃除が始まりました。


捨てる作業が、少し楽しかった

ところが、不思議なことが起きたのです。

彼女は楽しそうに手を動かしています。

ボクも、
これは捨てる。
これは使う。
と分けていく。

すると、物が少しずつ減っていきます。

部屋が広くなっていく。

そこで初めて、
「あれ? これ、意外と楽しいかも?」
と感じました。

掃除が終わった部屋では、
声が少し響くのです。

空気まで違う。

こんな感覚があるのか、と驚きました。

そして彼女を見ると、
髪にホコリが乗っています。

かわいい横顔。

その頭に、汚いホコリ💓

そのギャップに面食らって、
ますます惚れてしまいました。

……あの時は。


一晩では、人は変わらない

もちろん、その日からボクが片付け上手になった
わけではありません。

翌日にいきなり元通り、
ということもなかった。

ただし時間をかけて、
ゆっくり、
じわじわ、
また荒れていきました(笑)。

人間、そんな簡単には変わりません。

でも一つだけ、それまでとは違いました。

掃除は、嫌なものだけではない。

その感覚を知ってしまったのです。

これが、あとになって効いてきます。


20分だけなら、続けられた

実家を出て、一人暮らしを始めました。

その頃からボクは、
1日20分だけ掃除するようになるのです。

30分ではありません。
20分です。

というのも、
当時読んでた本に、長くやりすぎると
大掃除になり、毎日続けにくくなる、
という内容が書かれていたのです。

だから、20分でやめる。

引き出し一つでもいい。

本棚の一段だけでもいい。

全部やろうとしない。

そして掃除中には、自分で選んだ
20分の「掃除MIX」を流しました。

パンクやサイコビリー中心。
ポップでノリノリ。

少なくともボクの耳には、ですが。

音楽が終われば、掃除も終わり。

これなら続きました。


「モデルルームみたい」と言われた

それから約10年後。

コロナ禍の頃、投資家仲間、
いわゆるカブクラの人たちと、
「みんなの部屋を見せ合おう」という話に
なりました。

そこでボクも、自分の部屋を見せました。

すると、
「モデルルームみたい」
と言ってもらえたのです。

うれしかった。

本当にうれしかった。

同時に思い出したのは、昔のあの部屋です。

ベッドに積まれた服の山。
山積みの雑誌。
千枚近いレコード。
謎のブラックライト。

そして、
「これは人の住処じゃない」
と言われた自分。

そこから、
「モデルルームみたい」まで来ました。


習慣は、静かな武器になる

大きなことをした覚えはありません。

毎日、少しだけ。

使った物を戻す。

20分だけ片付ける。

それを繰り返しただけです。

すると、
いつの間にか物には定位置ができました。

探し物が減りました。

大掃除をしなくても、
部屋が大きく荒れなくなりました。

そこでボクは気づいたのです。

習慣は、武器になる、と。

ただし、その武器は派手ではありません。

一発逆転もしない。

昨日と今日では、ほとんど違いが見えない。

それでも続けていると、
ある日、昔の自分では考えられなかった
場所に立っていたのです。

ズルく。
ゆっくり。
確実に。

ボクにとって片付けは、あの感慨深さを
最初に教えてくれた習慣でした。


いつか、できるようになる

「そんなことまで、かまってられっかよ」
そう思う気持ち。

ボクは、すごーく分かります。

だって、ボクもそちら側の人間でした。

もしも今、昔の自分の部屋へ戻れるなら、
まずは山積みになった、もう読みもしない
ファッション雑誌から片付けます。

そして昔の自分に、ひと言だけ伝えたい。

「安心しなさい。
 いつかキミも出来るようになる。
 それはボクが保証する…」と。


近況報告

やっとこのブログの、リノベーション工事を無事
終わらせることが出来ました。

大変長らくお待たせしましたが、これでようやく
次のチャレンジに進めそうです。

今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。


ルキウス・ヒラノ

ズルく、ゆっくり、確実に。
頑張らずに続いてしまった生活を、
このブログに記録しています。

▶ プロフィールを見る


コメント